加工材料の選定ガイド:金属・樹脂の前提を揃える

加工材料選定の基本(強度・耐食・加工性)と、図面指示で迷いやすい点(状態・処理)を解説します。

材料選定で先に決めるべき条件 #

材料は「名称」だけでは不十分で、使用環境(温度、腐食、薬品)と、必要な機械特性(強度、剛性、摩耗)を先に整理することが重要です。金属では熱処理状態、樹脂では吸水やクリープが性能に直結します。

金属材料(例) #

金属は金属ガイドにまとめています。図面では材質記号に加えて、熱処理や表面処理の有無、硬度レンジなどを明確にすると、調達と加工の認識ズレが減ります(参考:金属 硬度)。

樹脂材料(例) #

樹脂は軽量・絶縁など強みがある一方、温度で剛性が落ちやすく、寸法も環境で動きます。樹脂の特徴は樹脂加工ガイドと、樹脂 特性も参照してください。

図面指示で曖昧になりやすいポイント #

  • 「同等材可」の範囲:同等の定義(強度、耐食、難燃、RoHS 等)を明確にする
  • 表面処理との組合せ:めっき/塗装の前提、密着や電食のリスク
  • 熱処理の有無:硬度狙い、歪みの扱い、仕上げ工程(研削)の有無
  • 樹脂のグレード:ガラス繊維入り、難燃、耐候などは型番指定が必要になる

材料選定は「性能」だけでなく「加工性」と「検査性」も含めた最適化です。たとえば精度要求が高い場合、材料の寸法安定性(熱・吸水)を先に確認し、必要なら後加工(切削)で基準面を作る設計にすると安定します。

材料状態の指定例(迷いを減らす) #

  • 金属:調質材、焼入れ焼戻し後、焼なまし後、表面処理後など(工程順も含める)
  • 樹脂:乾燥条件、難燃グレード、ガラス繊維含有率など(吸水・寸法変化の前提)

支給材を使う場合は、材料証明(ミルシート相当)やロット管理の要否を先に決めると、受入から加工までの手戻りが減ります。

参考資料(外部) #